【無料シミュレーター付き】住宅ローン変動vs固定、あなたの損益分岐点を計算|2026年版

「変動と固定、どっちが安全なんだろう…」「金利が上がってきているのは知ってるけど、じゃあ固定にすれば本当に安心なの?」

マイホームの購入を検討しながら、毎晩スマホで情報を調べては迷いが増えている。そんな方も多いのではないでしょうか。

住宅ローンは人生最大の買い物です。金額が大きいぶん、選択を間違えたときのダメージも計り知れません。でも逆に言えば、正しく選べるだけで数百万円単位の差が生まれる場面でもあります。

不動産会社・家電量販店・新築マンションのオプション会社と、住まい関連の現場で20年、数百組のお客様の住まいに関する選択に関わってきた私が、現場の本音を交えてお伝えします。「どちらが得か」だけでなく、「あなたの状況ではどちらが合うか」まで踏み込んで解説します。


①「変動が得」は本当に今も正しいのか?2026年の金利環境をまず知ろう

長らく「住宅ローンは変動一択」と言われてきた時代がありました。実際な2013年以降のゼロ金利政策の下では、変動金利を選んだ方の多くが低金利の恩恵を受け続けてきたのは事実です。

しかし2024年後半、日銀がゼロ金利政策を段階的に解除し始めたことで、状況は変わりつつあります。2026年4月時点で主要銀行の変動金利は0.6〜0.9%台まで上昇しており、「変動にしておけばとにかく安い」という前提は崩れ始めています。

変動金利(主要4行の参考値・2026年4月)

銀行変動金利
三菱UFJ銀行0.945%
auじぶん銀行1.134%
三井住友銀行1.272%
みずほ銀行1.025%
平均1.094%

全期間固定金利(主要4行の参考値・2026年4月)

銀行・商品全期間固定金利
三菱UFJ銀行3.66%
みずほ銀行3.45%〜
三井住友銀行3.94%〜
フラット35(9割超・21年〜)2.6%〜
平均3.42%

変動と固定の差は現時点で約2.3%。この差がどう動くかが、これからの選択の核心になります。


②変動・固定・固定期間選択型、3種類の違いを正直に説明します

変動金利は市場金利に連動して半年ごとに見直されます。現状は低水準ですが、将来の上昇リスクを借り手が自分で負う仕組みです。「5年ルール(返済額は5年間変わらない)「125%ルール(返済額増加は前回の1.25倍まで)」という緩衝装置があるものの、金利上昇分が元本に回らず残債が増えるケースも起こりえます。

全期間固定金利(フラット35など)は返済終了まで金利が一切変わりません。月々の返済額が完全に確定するため、子どもの教育費・老後資金の計画が立てやすく、収入や家族状況が変わっても返済額が不くらまないのが最大の強みです。

固定期間選択型は3年・5年・10年など一定期間固定した後、変動か再固定かを選べるハイブリッド型です。切替時の金利水準次第では想定外のコストになることもあります。


③あなたはどっち向き?タイプ別の正直な判断基準

変動金利が向いている人

  • 繰り上げ返済を積極的に行う予定がある
  • 共働きで収入が安定しており、金利上昇があっても対応できる余裕資金がある
  • 返済期間が20年程度で完済を予定している

返済期間が短いほど金利上昇リスクにさらされる時間が短くなります。元本が早く減れば利上げの影響も限定的です。

固定金利が向いている人

  • 返済期間が35年以上の長期になる
  • 収入の変動があり、毎月の返済額を固定したい
  • 将来の金利上昇が心配で、家計の安定を最優先する

固定金利は「保険料」と考えると腑に落ちます。今よりも多く払う代わりに、将来の不確実性をゼロにする商品です。


④実際の相談事例:Aさん夫婦が「変動を選んで後悔しかけた」話

30代前半の共働き夫婦、Aさんご夫婦(世帯年収850万円)のケースをご紹介します。2023年に5,000万円の新築マンションを購入し、変動金利0.4%でローンを組みました。

当時の試算では月々の返済は約12.6万円。「余裕で払える」と判断され、繰り上げ返済分を投資に回す計画でした。ところが2025年までの利上げで適用金利が0.9%近くまで上昇。5年ルールにより返済額はすぐには変わりませんでしたが、元本への充当が減り「残債がほとんど減っていない」という状況になりました。

最終的にAさんご夫婦は繰り上げ返済を前倒しして元本を圧縮し、現在は安定軌道に乗っています。ただしそのために投資計画は白紙に戻りました。

教訓:変動を選ぶなら「金利が上がったときの出口戦略」をセットで考えること。余裕資金がない状態で変動を選ぶのは、現場から見てリスクが高いと感じます。


⑤元プロが教える「銀行選びの落とし穴」3つ

落とし穴① 表面金利だけで比較する

「A銀行は0.1%安い!」と飛びついたものの、諸費用を含めた総支払額ではA銀行より高くなっていた――これはよくあるケースです。保証料・事務手数料・団信保険料・繰り上げ返済手数料まで含めた「実質総コスト」で比べることが必須です。保証料ゼロをうたいながら事務手数料が借入額の2.2%(5,000万円なら110万円)に設定されている銀行もあります。

落とし穴② 団信の内容を「なんとなく」で決める

銀行によっては「がんと診断された時点でローン残高がゼロになる」商品があります。日本人の2人に1人ががんに罹患すると言われる時代、これは非常に手厚い保障です。金利上乗せは年0.1〜0.3%程度が多く、5,000万円・35年換算で月2,000〜5,000円程度の差。その費用でローンが消えるなら、加入を前向きに検討する価値は十分にあります。各銀行の適用条件は必ず公式サイトでご確認ください。

一方「無料で8大疾病保障が付いている」銀行の広告には注意が必要です。高血圧・糖尿病・腎疾患などの生活習慣病については「就業不能状態が継続して1年以上」という非常に厳しい適用条件が設定されているケースがほとんどです。「どういう状態になれば保険が下りるのか」を必ず確認してください。

落とし穴③ ネット銀行の「低金利」だけを見て飛びつく

審査面では書類審査が機械的になりやすく、転職直後・自営業の方は通りにくいケースがあります。またつなぎ融資に対応していない銀行が多く、注文住宅では利用自体が難しいことも。さらにマイホーム購入後には家具・家電の購入という大きな出費が控えています。エアコン・冷蔵庫・洗濯機・テレビを含めてまとめて揃えると100万円以上は必要です。月々の返済額だけでなく「引越し後の生活コスト全体」で資金計画を立てることが本当の意味での失敗しない選び方です。


⑥実際にいくら違う?5,000万円・35年で変動vs固定を試算してみた

条件月々返済総返済額総利息
変動 1.09%(現状継続)約136,490円約5,732万円約732万円
全期間固定 3.32%約199,480円約8,378万円約3,378万円

現時点では変動が約2,646万円安い計算になります。ただし「今の金利が35年間続いた場合」の試算です。損益分岐点は変動金利が平均3.32%を超えて35年間維持された場合に固定と同等になります。現在との差は2.23%です。

下記にシミュレーターを用意しましたので、お試しください。


シミュレーターで確認しよう

借入額・返済期間・金利を自由に変えて、損益分岐点をリアルタイムで計算できます。「5年後に金利が1.5%に上がったら?」というシナリオも試せます。




まとめ:「損しない選び方」は金利だけを見ることではない

変動か固定かを選ぶ判断の軸は次の3点です。

  1. 返済期間:短ければ変動有利、長ければ固定が安心
  2. 余裕資金:金利上昇に対応できる手元資金があるかどうか
  3. 収入の安定性:変動しやすい収入なら固定で月額を固定する

後悔している方に共通しているのは「なんとなく低い方を選んだ」ことです。まずは複数の銀行を比較し、総返済額・団信・手数料を一覧で確認すること。そしてシミュレーターで「最悪のシナリオ」を一度試算しておくこと。この2ステップが、後悔しない住宅ローン選びの第一歩です。

※本記事の金利情報は2026年4月時点の参考値です。最新の適用金利は各金融機関の公式サイトでご確認ください。